Month3月 2015

ひねりを使いこなせば魔法使いにだってなれるんです!?

ビリヤードを続けていて必ずぶつかる壁と言えば「ひねり」ではないでしょうか。ショットが安定して決まるようになり、ストップショットもフォローショットもドローショットも使うことができる人が、左右のひねりを加えると途端にポケットできなくなるという悩みを聞くことがよくあります。これは、左右の撞点を使うことで手球の進行方向にずれが生じるためで、その度合は使っているキューの性質によっても差があります。最近ではハイテクシャフトと言われる高度な技術から生まれた特殊なシャフトがあり、このずれを極限まで減らすことに成功していますが、完全に消し去ることはできていません。しかし、

ひねりを使ったショットは避けて通れないものですし、使いこなすことができれば魔法の呪文を手に入れたように手球を操ることも可能です。

ひねりには「順ひねり」と「逆ひねり」とがあります。手球が自然に向かう方向にさらにひねりを加えるのが順ひねりです。それに逆らう方向にひねりを加えるのが逆ひねりです。たとえば、左方向のポケットに的球を入れるには、的球の右側に手球を当てます。すると物理的な法則で手球は右の方向に弾かれます。このときに手球の右側を撞いていれば順ひねりとなり、左側を撞いていれば逆ひねりとなるわけです。

手球にひねりを加える理由は、主にクッションに入った後の手球のアクションをコントロールするためです。クッションに斜めに入った手球をさらに広く走らせたければ順ひねりを使い、狭く詰まらせブレーキをかけたければ逆ひねりを使うなど、多彩なコントロールを可能にします。ひねりの用途はこれだけにとどまらず、時には手球をカーブさせたり、当てた的球の軌道を修正したりと、実に繊細なコントロールもできるのです。ひねりを使えるか使えないかでプレイの内容、球の質はまったく別物になります。

一般的に、順ひねりより逆ひねりの方が難しいと言われます。自然の流れに逆らった撞き方であるため、ずれを見越すことが難しいのです。振りのついた配置で的球に当たった手球は、ひねりを加えていなくても摩擦の働きで勝手に順ひねりが入ります。そのため、さほど大きくひねりを加えなければならないという場面は多くありません。逆ひねりの場合はそうもいかず、往々にして狙った厚みよりも薄く外れる傾向があります。しかし、逆ひねりを攻略して使いこなすことができれば、それこそ魔法を手に入れるようなものです。自然に逆らった動きを手球に強いることができるのですから。

ひねりによるずれ、すなわち見越しは、キューの柔軟性の違い、ショットの強弱、的球までの距離など様々な理由で異なります。根気よく練習して、自分のキューの性質、癖、ショットの感覚をつかむことです。逆ひねりのおおよその見越しの度合いを測る方法として、次のようなものがあります。手球の中心からタップ一個分ほど順ひねりの側を、手球の中心に向かうつもりで構え、狙いの厚みを捉えます。キューを突き出す瞬間に、レストを支点としてキュー先だけを逆ひねり側に移動して撞きます。これでポケットできれば、逆ひねりを使う際の見越しの基準とすることができます。あとは苦手意識がなくなるまで練習あるのみです。

ジャンプショットを練習する前に空クッションを磨きましょう!

ビリヤードをする人ならご存知のとおり、的球がほかのボールに邪魔されて直接狙えないときに、ジャンプショットで回避出来る場合があります。レストを高くしてキューを立てて構え、手球をテーブルに叩きつけるようにしてバウンドさせるショットです。入れごろの配置にある的球へのコースが、ほかのボールにわずかに遮られている場合などに効果を発揮します。ジャンプショット専用のキューがあるくらいで、れっきとした技術であり、否定するつもりはまったくありません。しかし、無闇に用いるのは感心できません。簡単なようで実はリスクが高いショットだからです。ここ一番で賭けに出るような戦術的な場面なら、あるいは選択肢のひとつになるかもしれません。しかし、的球が隠れたら何でもかんでもジャンプショットに頼るというスタイルでは、あまりに策がなさすぎます。

自分の技術の向上を目指すのなら、まずは空クッションを利用したショットを学ぶ方が、はるかに効果的です。

ゲームをしていて、ほかのボールが手球の近くにあって撞きづらいため、仕方なくキューを立てて撞くことがあります。これだけでも狙いどおりに手球を運ぶのは難しいはずです。手球をコントロールするとなれば尚さらです。これよりキューを立てる必要のあるジャンプショットが、いかにリスクの高いショットであるかがわかると思います。しかし、空クッションを利用したショットがリスクを伴わないと言っているわけではありません。テーブルのコンディションによっても球の出方は変わりますし、的球のない方向に向かって手球を撞くのは不安なものです。ではなぜ、ジャンプショットより空クッションを学んだ方が上達に役立つのか。それは、手球のコースを読む訓練になることと、セイフティプレイなどに応用ができること、クッションを利用したシステムを覚えられること、慣れてくれば手球のコントロールが可能であることなどが理由です。得られる知識の量が違うのです。応用できる場面が多いのです。知っているか知らないかで大きな差が生じるテクニックを学べるのです。

システムというのは、テーブルを囲むレール上に印されたポイントなどを利用して、ボールをどこにクッションさせればどこへ運ぶことができるのかを体系化したものです。種類も数多く存在し、すべてを覚えるのは至難の業です。しかし、これらの中から使用頻度の高いものだけでも身に付けておけば、プレイの中身は格段に進歩します。手球のポジショニングにも応用できますし、ジャンプショットではまかない切れない多彩なプレイが可能になります。空クッションの知識と精度を上げればシュートも狙えるようになり、相手の仕掛けたセイフティに対して有力な対抗手段にもなるのです。

このように、ビリヤードのプレイには多種多様なテクニックがあります。ジャンプショットもそれらの一つではありますが、闇雲に使うものではありません。しかし、ほかの多くのテクニックと比べても、どうも乱用する人が多いようです。あまり頭を悩まさずに手軽にできるとでも考えているのでしょうか。だとすれば、上達の妨げ以外の何物でもありません。身に付けるべき、覚えるべきことを学んだ後の、ここ一番の選択肢くらいにとどめておく方が懸命であると言えます。

シュート力とコントロール力ではどちらを重要視するべきか

シュート力とコントロール力は双方のバランスが合致して力を発揮するものです。特に上級者同士のゲームでは、どちらかに頼っている状態ではすぐに限界が来ます。しかし、あえてシュート力とコントロール力のどちらがより重要かを言うとすれば、それはプレイヤー個々の上達具合によって異なることになります。

初心者または、ナインボールでブレークランアウト(ますわり)をした経験がないといったレベルであれば、シュート力向上に力を注ぐべきです。

手球のコントロールはシュート力を補う意味もありますが、シュート力自体を高めれば、より楽に処理することができるはずです。高いシュート力があってこそコントロール力を身に付けることができ、コントロール力があってこそシュート力が活きると考えましょう。このバランスを手に入れる第一歩として、まずはシュート力強化です。

総合的な力を付けるために重要なのは、誰かと相撞きをしてゲーム感覚を養うことですが、シュート力を高めるためには、一人でじっくり練習する時間を設けることも大切です。相撞きと一人の練習、これらをバランスよく両立させることが望ましいと言えます。さて、それではシュート力向上のためにどのような練習をすれば効果的なのでしょうか。答えるとすればただひとつ、とにかく数多く球を撞くことです。ただし、真っすぐなセンターショットばかりを何十回も繰り返すのは意味がありません。真っすぐなセンターショットは、ある程度フォームが固まって安定してきた人が、状態を自己診断するために行うことで意味を持ちます。これからシュート力を向上したいと思っている人は別のメニューを試すべきです。

的球をポケットするために必要な要素は、正しい狙い(厚み)と、そこへ正確に手球を運ぶ感覚です。これらを養うための前提条件として、自然体によるスムーズなストロークが必要になります。ここで勘違いしてはいけないのが、スムーズなストローク=真っすぐにキューを出すこと、ではないということです。キューが真っすぐ出ないからといってあれこれ悩み、奇妙な姿勢のフォームになっては逆効果です。ここで言う自然体とは、身体に無理のない姿勢のことであり、これは傍から見ても格好の良いフォームであるはずです。キューが真っすぐ出なくても、スムーズなストロークさえできていれば、徐々に狙った厚みを捉えることができるようになります。まずは、細かいことを気にせず、振りをつけた配置の的球を数多く撞きましょう。

最初のうちは、それほど遠い的球や薄い的球をポケットする必要はありません。センターショットに振りをつけた程度で構わないでしょう。または、テーブル上に的球をランダムに散らして、順番に関係なく気ままにポケットするだけでもいいと思います。ある程度狙ったとおりにシュートできるようになったら、遠い球や薄い球にも力を入れ、日頃苦手にしている配置があれば、それに重点を置いてもいいでしょう。大切なのは、球を撞く感覚、ポケットする感覚を養うことです。勘と言ってもいいでしょう。一度身に付いた勘はなかなか忘れるものではありません。自分の感覚を信じて、一つでも多くのシュート経験を積んでいくことです。

ネクストポジションのアイデアは複数考える癖をつけよう!

ビリヤードは確率のゲームだと言われます。選択肢の中からより確率の高い方法を選んでプレイすることで成功につなげるわけです。しかし、そもそも選択肢を持っていなければ確率を比較しようがありません。この選択肢を増やすためには、経験と知識が重要になります。経験とは、上級者のプレイを観察して覚え、試してみること、そして、自らが思いついたアイデアを試してみることです。これらの蓄積が知識となって、選択肢、つまりバリエーションを豊富にしてくれるのです。ゲームの最中に最も選択肢を要求されるのが、ネクストポジションと手球のコントロールです。ネクストポジションすなわち、どこに手球を運べばいいのか、コントロールすなわち、そのためには手球にどのコースを走らせればいいのかということです。

ネクストのポジショニングは一つだけではありません。固定観念にとらわれずに、必ず複数の方法、アイデアを考え出す癖をつけることが大切です。

まずは、どのネクストポジションが最適かを考えます。次に、手球がそのポジションにたどり着くコースを考えます。フォローショットなのか、ドローショットなのか、クッションのどこに入れるべきか、その際のひねりの度合いはどれくらいかなどと判断するわけです。場合によっては手球をほかの的球に当てて止めるといった方法もあるかもしれません。そして、さらに考えれば、別のネクストポジションを目指す方がより合理的であることに気付くかもしれません。だとすれば同じように、どうやって手球をポジショニングするかを考えます。ざっとこのような感じです。文字にするとかなりの量ですが、頭の中ではわずかな時間です。

発展途上のプレイヤーは、往々にしてネクストポジションを一箇所だけだと決め付けるものです。その結果、何がなんでもそこへ手球を出しにいこうと無茶なショットをします。あるいは、中途半端な位置に手球を残して我慢しようとします。もっと楽で確実なポジショニングがあるにもかかわらずです。一番近いポケットこそが唯一の狙い目であるとでも言うようです。そもそもポケットは6個もあるのですから、もっと視野を広げて考える癖をつけることが必要です。臨機応変に、柔軟に対処できるスキルを身に付けるべきです。

よく耳にする話に、手球の動きを最小限にとどめるのが上手い球である、というものがあります。これはあくまで理想を言っているのであって、手球を大きく動かすことが下手だということではありません。ほとんどクッションを使わずに最短距離だけでネクストコントロールをし、すべての的球を取り切ることができれば、これほど効率のいいことはないでしょう。しかし、的球の配置がそれを許さないことがほとんどです。肝心なのは手球の動く距離ではなく、いかに合理的に処理するかということです。そのためにも、ひとつの方法にだけ固執することなく、効率を比較する対象となり得る複数の方法を考えることが大切なのです。このことを続けていれば、どうすればいいのかわからない、といった場面はなくなり、さらに奥の深いビリヤードの楽しみを感じることが可能になるはずです。

どんな配置の球でも最初はポケットすることだけを考えよう!

ナインボールやテンボールといったゲームをする中で、シュートを狙うにはリスクの高い配置に直面することがあります。どう考えても狙えるポケットがない場合や、シュートできないこともないが外す可能性が高い場合などです。そんなときの手段にセイフティプレイがあります。相手にとってもポケットできない配置に的球と手球をコントロールするわけですね。しかし、昔のポケットビリヤードには、今ほどセイフティという概念が浸透していませんでした。狙うべき的球が少しでも見えてさえいればもちろんのこと、見えていなければ空クッションからでも、とにかく強打で当てに行くという具合です。ところが今では、バンクショットで狙える球でさえセイフティに頼るような場面が見られます。勝負のために、より確率の高いプレイが優先されるのです。上級者同士のゲームであれば、これらの駆け引きも見ていて面白いものですね。

しかし、ここで警鐘を鳴らしたいと思います。シュート力も満足でないプレイヤーが下手なセイフティを試みたところで失敗するのがオチです。「下手なセイフティ、休むに似たり」というところでしょう。

C級、B級を名乗るうちは、的球が見えていようが隠れていようが、がむしゃらにポケットを狙うべきです。

バンクショットが狙える余地があるなら迷うことはありません。ドカンといきましょう。コンビネーションが狙えるなら、じっくり狙いを定めてチャレンジしましょう。空クッションから当てにいくなら、どう当てれば的球がポケットに向かうのか考えましょう。ポケットする方法が思いつかなければ上級者に聞いてみましょう。どのような難球でも、一度でもポケットできたという経験を持つことは大切です。いざと言うときの底力になるはずです。

セイフティプレイはたいへん難しいショットです。通常のシュートよりも難易度は高いかもしれません。そのくせ、失敗するとシュートミスよりもダメージを受けます。守りにいって失敗するより、攻めにいって失敗するほうが潔いという心理でしょうか。セイフティプレイには絶妙な狙いと加減の兼ね合いが必要であるばかりか、経験に基づいたアイデアも重要になります。シュート力や手球のネクストコントロールが安定しないうちは意識しない方が無難です。上達すればいくらでも練習できるのです。今必要なことは、少しでも多くの球をシュートできたという経験であるはずです。相手によっては「ナメてるのか」などと言われるかもしれませんが、気にせずポケットすることを再優先に考えて臨みましょう。

ポケットビリヤードは、的球をポケットしないことには勝てません。ネクストコントロールも先球がポケットに入らなければ意味はありません。すべてがシュート力ありきの理屈なのです。シュート力があれば下手でも勝てます。逆にどんなに器用な球を撞けてもシュート力が劣れば負けます。まず手に入れるべきなのはシュート力です。シュート力があれば手球のコントロールも身に付きます。様々なテクニックを試すだけの力が身に付きます。あらゆる配置、角度(振り)の的球をシュートする経験を積み、すべての基本となる力を養いましょう。これが上達に欠かせない大前提です。

ゲームにおいて組立てを考えて正確に実行する必要性とは?

ゲームを進める上で大切なこととして、的球をどのように取り切るか事前に組立てを考えるべきだと言われます。ゲームの進行と共に状況は変わるのだから無意味だと思われるかもしれません。たしかに、

事前に全体の組立てを考えることの必要性はありません。しかし、勝負に勝つためと、上達するためには極めて重要なことだと言えます。

では、このことが具体的に何を意味し、どうしろと言っているのか、ちょっと検証してみましょう。ここではナインボールを例にして説明していきます。

ブレイクショットをしてテーブル上に散らばった的球があります。自分のブレイクショット後でも、相手のブレイクショット後でもかまいません。ご存知のように一番若い番号のボールから狙っていくわけですが、まずはテーブル上の各的球の配置を見渡してみます。そして、取り出しとなる最初のボールと手球の位置関係を確認し、次の的球を狙えるポジションと、そこへ手球を運ぶコースを考えます。そのポジションは、その次に狙う的球をポケットしつつさらに次の的球を狙えるポジションに運べる位置でなければなりません。このように三手先まで考えることが、ポケットビリヤードにとって最低限必要な組立てなのです。この組立てを、最初から全ての的球に対して考えてからプレイに入ろうというわけです。気が遠くなりそうですね。そもそも、イメージどおりにすべてが運べたら苦労はありません。ところが、実際にこのようなプレイスタイルでマシンのようにきっちりと取り切ってみせるプレイヤーはたくさん存在します。

このことは必須の項目ではありません。あくまで気持ちの問題です。個人の性格にもよるでしょう。最低三手先まで組立ててプレイし、失敗したらまた組立てを考えて修正する。この繰り返しでも十分にゲーム運びはできます。ただ、最初にテーブル全体を見渡しておくことは重要なことです。すべての的球がまんべんなく散っていればいいですが、何かしらトラブルを伴った配置があるはずです。ただ単にネクストゾーンが狭くてコントロールが難しい、的球がくっついていてそのままではポケットできない、サイドポケットに微妙に被った的球があるなど、早い段階から把握しておくべき状況がきっとあります。そこで、このトラブルの打開策を含めた組立てを最初に考えて、じっくり実行していくのです。これですべての的球を取りきれる可能性は格段に上がります。

人間の感覚がどんなに優れていようと、毎回毎回思い通りにプレイを進めることは不可能です。どうしても細かい修正が必要になるものです。しかし、事前の組立てが重要だという理由はおわかりいただけたはずです。トラブル回避だけでなく、視野を広げてイメージを作る訓練にもなり、そのイメージどおりにプレイすることを目指せば、シュートやコントロールの精度を上げることができることでしょう。事前にすべての組立てを考えることの必要性は問いませんが、プレイに対するマインドとして頭に入れておくことは重要なことだと言えるでしょう。

ネクストゾーンの考え方を変えられればコントロールは楽になる!

ネクストポジションとは、次の的球を狙うために手球があるべき位置のことです。ひとつの的球をポケットしつつ、次の的球をポケットするためのポジションに手球を運びます。そしてこのポジションは、的球をポケットしやすく、なおかつ、次の的球をポケットするためのポジションに手球を運びやすい位置であることが理想です。あるときは真っすぐに配置されるようにコントロールしたり、またあるときは左右どちらかに角度(振り)のある位置に手球をコントロールしたりします。多くの場合、この手球のネクストコントロールにはクッションを用います。的球をポケットした後の手球を1回以上クッションに入れてバウンドさせ、任意の場所に向かわせるわけです。この際、

ネクストゾーンの形を縦長にイメージすることでミスの少ないコントロールが可能になります。

次の的球に対して振りをつけたかったのに真っすぐの配置にしてしまったり、思ったものとは逆の方向に振りがついてしまったり、必要以上に振りが大きくなってポケットするのが難しいくらい薄い配置に残してしまったりという経験が誰にでもあると思います。これらの原因は、力加減やひねり加減、手球のコースの選択ミスなど様々ですが、意外に多いのがネクストゾーンのイメージの間違いです。手球を運ぶべき位置を点や正円といった小さなポイントでイメージしたり、わざわざネクストゾーンを横切るようなコースを選択したりすることが多いようです。確かに、そうせざるを得ない場面もありますが、可能な限り避けたいことです。ネクストゾーンのイメージが小さければショットが萎縮しますし、ネクストゾーンを横切るようなコースを手球が走れば見当違いの振りがつく可能性が大きくなります。

ポケットと的球を結んだ直線の後方にネクストゾーンは存在します。このネクストゾーンは、的球に向かって縦長にイメージするべきです。そして、手球を極力、この縦長のゾーンに対して平行に近いコースを通らせてポジショニングするのです。これなら、的球と手球の距離が思いとは多少違ったとしても、致命的な振り間違いというリスクを最小限に抑えることが可能となります。最初の的球をポケットしつつ、直接のフォローショットやドローショットで可能ならそれも良し、いずれかのクッションを利用してポジショニングできるならそれも良しですが、無難なのは、フォローショットを利用して手球をクッションに入れながら、ネクストゾーンに対して縦に入ってくるように走らせることです。思ったとおりのコースを手球が走るのは気持ちのいいものですし、コントロールに自信もつきます。

ネクストポジションをいたずらに横切るような手球のコントロールは、リスクが高いだけでなく、見た目も美しくありません。見る人が見れば、その程度の腕であると決めつけられてしまいます。視野が狭く、球の取り方にバリエーションが少ないと思われるのです。手球を思うように走らせるには、ひねり、力加減、コースの読みなど様々な要素が必要になりますが、これらは経験でカバーするしかありません。何度も球を撞くこと、時にはいつもと違う取り方をしてみることで、プレイの可能性をもっと広げていきましょう。

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