狙いの厚みを的確に捉える絶対的な方法などありません!

ポケットビリヤードにおいては、的球をシュートできることが勝つための大前提となります。どんなに器用に手球をコントロールできても、的球がポケットに入らなければ相手に順番を譲ることになります。逆に、手球を器用にコントロールできなくても、シュート力だけは異常に高いというプレイヤーはなかなか負けません。いわゆる下手なのに強いプレイヤーですね。器用で上手な人から見れば腹立たしくもありますが、これも勝負の世界です。悔しければもっと上のシュート力を身に付ければいいだけの話です。では、シュートを確実にするための方法などあるのでしょうか。

残念ながら、狙いの厚みを確実に捉える方法などはありません。個々に創意工夫することと感覚を養うということ以外にないのです。

では、どうやって感覚を養っていけばいいのか、そのヒントを考えてみましょう。

ビリヤードのテーブルは大きさも形も決まっています。6つのポケットの位置も一定です。ボールの大きさも同様です。テーブルの4辺にはクッションレールが土手のように囲んでいて、コーナーポケットへの位置情報をプレイヤーの視野に与えてくれます。日々の練習を重ねるうちに、ポケットがある方向を確認しなくても、的球が置かれた位置を見るだけで、狙うべき厚みがわかるようになります。それくらい人間の空間把握能力は優れているということです。ここに、的球をポケットに入れるための情報をできるだけ多く加えることが、シュート力の精度を上げることにつながります。この情報の集め方を具体的に考えていきましょう。

イメージボールという言葉を耳にしたことがあると思います。狙い、すなわち厚みを予測する際には、とかくこの一言で片付けられがちです。これは、入れるべきポケットと的球をつなげた一直線上に、的球と接するように手球の姿をイメージするということですが、実際には存在しない姿をイメージするのは容易なことではありません。ではどうすればいいか。まず、手球を当てるべき接点の位置を的球の表面上に確認します。さらに、そのときの手球の中心点をテーブル上にイメージします。つまり、ポケットと的球を直線で結び、的球からボール半個分の位置に頭のなかで目印をつけるのです。その目印を狙いとして構えます。そして、狙いの厚みが違うような気がする、といった違和感があったら、もう一度測り直します。違和感がなくなったらシュートです。これを繰り返すうちに、無造作に構えても比較的正しい厚みを捉えることができるようになります。

また、極端に低いフォームでは、構えた際の視界には平面的な映像しか見ることができません。懐に空間を作ってやや高いフォームにすると、的球とポケットまでの角度や距離を俯瞰して見ることができ、立体的なイメージをつかみやすくなります。どうしても低いフォームの方が得意であるなら、構えに入る際に、一旦は高い位置から状況を確認してから姿勢を下げるようにすると良いでしょう。とにかく、何度も何度もシュート練習を繰り返して、ボールという球体に対する感覚を磨いていくことです。経験だけが情報を蓄積する唯一の手段なのです。