日頃、ナインボールなどのゲームをしている最中に、この的球をポケットしたら手球がスクラッチしそうだな、と感じたことはありませんか。そして実際に撞いてみると案の定スクラッチしたという経験があるのではないでしょうか。これは確かにミスショットですが、撞く前に感じた予感は本物です。そんな予感が働くということは、手球のコースを予測する能力が備わっていることになります。決して悲観することではありません。次の機会には予感を信じて、スクラッチを回避する方法を考えればいいのです。こんな予感は、数多く球を撞いているうちに自然と身に付いたものです。狙いの角度(振り)と手球の弾かれていくコースを予測する第一歩と言えます。

的球に当たってからの手球がたどるコースを把握することは、手球のコントロールの第一歩です。

狙い、すなわち的球に当たる手球の厚みと、撞点の上下、力加減という情報を基に手球は走ります。手球のコースを予測するには経験を積むしかありません。その経験を基に予測した手球の走るコースを、実際のプレイに一致させることでコントロールが可能になります。そのための練習方法を紹介しますので、積極的に普段の練習に取り入れてください。

まずはいわゆるセンターショットの応用です。センタースポットに的球を置き、手球をフットスポットに置きます。これを向こう正面の左右のコーナーポケットどちらかにシュートするわけですが、重要なのは手球のコースです。撞点を上から下まで微妙に変えながら、左右の長クッションのどのポイントに手球が当たるかを覚えましょう。向かって左のポケットにシュートするなら、右側の長クッションに手球が当たります。まずは上の撞点で、奥から一つ目のポイントに向かうようコントロールしてみましょう。次にやや撞点を下げて、奥から二つ目のポイント、次に三つ目というように練習をしてください。厚みと撞点と力加減による手球の動きの違いを記憶しましょう。

次に、的球をコーナーポケットから2ポイント目の長クッション際に置きます。手球を3ポイント目付近の中央に置き、的球をコーナーポケットにシュートします。その際に撞点を上下使い分けて、手球がクッションからどのように跳ね返ってくるかを覚え込みましょう。これに左右のひねりを加えながら反復練習をし、自分の思ったところに手球をコントロールできるようにするのです。この練習には無限のバリエーションが設定できます。長クッションから長クッション、短クッションから短クッションと、様々な配置から試してみると良いでしょう。振り、撞点、力加減、ひねりによって、的球に当たった手球が直接走って行く方向と、クッションに跳ね返ってから進んでいく方向を把握することがネクストコントロールの基本となります。様々な配置で、振り、撞点、力加減、ひねりの度合いなどを変えながら何通りも試してみることです。

ゲームにおいて、目の前の的球を自分がどのように撞けばどうなるかということがわかっていれば、ネクストコントロールを考える上で格段のヒントになります。一人での練習を有意義なものにするためにも、ぜひとも取り入れてください。