筋力トレーニングを行った経験はあるでしょうか。筋力を鍛える、筋肉をつけるという作業には、日々の安定的な継続が重要です。このことは、この世の競技と言われる全ての分野に共通して言えることです。もちろん、ビリヤードも例外ではありません。筋力は日々の鍛錬を怠れば増強できません。せっかく鍛えられた筋肉も、継続してトレーニングしなければ徐々に衰えます。

ビリヤードにおいても、日々の練習を安定的に継続することが上達には欠かせない要素です。

仕事の影響などで、練習をしたくてもできない日が続いてしまった経験を持つ人も多いでしょう。一週間ぶりに撞いた球の感触はどうでしょうか。あまりの違和感に驚く人もいることでしょう。人間は一度体得したことは忘れにくいものですが、そうなるまでは長い時間がかかります。日々の積み重ねが身体に記憶され、長い時間をかけて定着するのです。ですから、練習は毎日するに越したことはありません。わずかな時間、例えば30分間だけでもいいので毎日欠かさずに続けることが理想的です。一日置き、二日置きに長時間練習するより、短時間でも毎日練習する方が効率は良いものなのです。

日常の動作の中に、ビリヤードに使われる動作に似たものはほとんどありません。それだけ特殊な動作なのです。この動作はビリヤードを実際に行う以外に身に付きません。しかも、同じ動作を繰り返す反復練習だけが、その動作を身体に覚えさせることを可能にします。自宅にビリヤードテーブルを所有しているなら最高の環境ですが、そんな人はなかなかいないでしょう。したがって、どうしてもビリヤード場に通うことになります。生活圏内にビリヤード場があれば問題無いと思いますが、そうではないという人にとって毎日の練習はなかなか困難なことです。そんな人は、自宅で素振りだけでも行いましょう。ビリヤードテーブルと同じくらいの高さの机などを使って、イメージをしながらキューを振る。これだけでも多少の効果は期待できます。

実際にビリヤード場に足を運んで練習することには様々なメリットがあります。それは、その独特な環境と雰囲気がもたらすものです。そこから得る刺激は、自宅で味わうことができません。ビリヤード場の空気に触れるだけでも一種の練習になるとさえ思われます。また、常連客になれば仲間もできて、上級者からのアドバイスも受けられることでしょう。時にはプロが訪れることもあるかもしれません。試合とは違い、ストレスから開放されたプロのプレイは大いに刺激になるはずです。そして何より、誰かと手合わせをすることこそ最高の練習と言えます。お互いの手の内を見せ合い、分からないことは積極的に聞くことで、自分にないものを補うことができます。初めて知ったことを実践することで技量に磨きをかけることができます。一人で殻にこもっていては進歩することは困難です。そのためにも、できるだけ毎日ビリヤード場に通って練習することが理想的なのです。